『ドラゴンボール』は、連載当時の多くの読者にとってモノクロが基本でしたが、近年ではフルカラー版が登場し、再び注目を集めています。
特に、カラー版はどのようにして作られ、誰が塗っているのかという点に興味を持つファンも少なくありません。
原作の魅力をそのままに、色鮮やかなビジュアルを実現したこのカラー版は、デジタル彩色技術を駆使し、集英社と専門スタッフによって制作されています。
本記事では、『ドラゴンボール』のカラー版がどのように制作されたのか、その過程と背景に迫り、誰が塗っているのかについて詳しく解説します。
ドラゴンボール カラー版は誰が塗ってるのか
集英社によるデジタル彩色の経緯
ドラゴンボールのフルカラー版が誕生した背景には、2013年に公開された映画『ドラゴンボールZ 神と神』の成功が大きく関わっています。
この映画の公開を機に、集英社は原作『ドラゴンボール』を全ページフルカラーで再発行するプロジェクトをスタートさせました。
元々、連載当時の『ドラゴンボール』は巻頭カラーなど一部を除いてモノクロで描かれており、読者はフルカラーで楽しむことができませんでした。
そこで、デジタル彩色技術を駆使し、集英社が全編にわたるフルカラー版を制作することになりました。
このプロジェクトの狙いは、原作の魅力をさらに広げ、映画公開時の新規ファンや、長年のファンに新たな楽しみを提供することでした。
ただし、鳥山明氏自身がこのフルカラー版の着色に関わっているわけではなく、集英社が外部の専門スタッフと共に、デジタル彩色の技術を用いて着色作業を進めています。
デジタル彩色を用いることで、従来のアナログ着色よりも効率的かつ精度の高いカラーリングが可能となり、読者に鮮やかなビジュアル体験を提供できるようになりました。
このように、デジタル技術の進化と市場の需要が重なった結果、集英社によるデジタル彩色が『ドラゴンボール』フルカラー版の実現を後押ししました。
フルカラー版制作に関与したスタジオ
『ドラゴンボール』のフルカラー版は、集英社が主導して制作していますが、外部のスタジオとの協力も不可欠でした。
その中でも、編集協力を行ったのが株式会社キャラメル・ママです。
キャラメル・ママは、集英社のプロジェクトにおいて編集サポートを提供し、フルカラー版の制作にも関与しています。
彼らの役割は、彩色そのものではなく、制作過程における編集協力やサポート業務が中心と思われます。
『ドラゴンボール』のフルカラー版では、原作のモノクロ作品にデジタル彩色技術を適用する際、集英社が過去のカラーページを参考にしつつ、現代の色彩感覚を取り入れた彩色を行っています。
また、キャラメル・ママは他のジャンプ作品にも長年携わっており、その経験を基にフルカラー版制作の編集支援を行いました。
デジタル技術の導入により、かつての手描きでは表現しにくかった細部も鮮やかに描かれ、現代の読者に新しい視覚体験を提供しています。
このように、集英社とキャラメル・ママの協力により、『ドラゴンボール』のフルカラー版は高品質な仕上がりとなっています。
鳥山明はカラー版に関わっているのか?
鳥山明氏は、ドラゴンボールのカラー版の制作には直接的に関与していません。
カラー版は、集英社がデジタル彩色を施し、専門のスタッフによって制作されたものです。
つまり、鳥山氏自身がフルカラー版の色付けを行ったわけではありませんが、彼が描いた連載当時のカラーページや、設定資料が彩色において重要な参考となっています。
また、鳥山明氏は過去のインタビューで、キャラクターの髪の色や服の色についてはあまりこだわりがないと述べており、気分やその時の都合で変えていたことを明かしています。
このため、フルカラー版でも連載時と色が異なる場合があり、それが彼の意向ともいえる部分です。
とはいえ、カラー版が完全に彼の監修下にあるわけではなく、集英社や協力スタジオの判断に任されていることが多いようです。
このように、鳥山明氏の原作を忠実に再現しつつ、デジタル彩色の技術を用いて新たに着色されたのがフルカラー版の特徴です。
カラー版とアニメ版の違い
ドラゴンボールのカラー版とアニメ版には、いくつかの明確な違いがあります。
まず、最大の違いはカラーリングです。
アニメ版は鳥山明氏の原作をベースにしつつ、アニメーションのために独自の色設定がされており、例えばブルマの髪の色が初期は緑色に設定されていました。
一方で、カラー版の漫画では、ブルマの髪が紫色に着色されていることが多く、これは原作のカラーページを参考にした結果です。
また、アニメ版では動きや表情、背景に至るまで動的に表現されるため、色の使い方や演出がアニメ特有のスタイルに合わせられています。
それに対して、カラー版は静止画としての漫画の特性に合わせて着色されているため、ページごとのバランスや色調が重視されています。
さらに、アニメ版では音声やBGM、効果音などが加わり、視覚以外の要素も含めた演出が施されていますが、カラー版では純粋に色彩による視覚効果が作品の印象を左右します。
こうした違いにより、アニメ版は視覚と音声を融合させた娯楽として楽しむ一方で、カラー版の漫画は原作の緻密な描写に色を加えた新たな視点で読むことができます。
どちらも魅力的ですが、それぞれの表現方法における違いを理解して楽しむことが大切です。
ドラゴンボール カラー版 誰が塗ってるのかに関する詳細
カラー版制作に関わった業者の役割
ドラゴンボールのフルカラー版制作には、集英社だけでなく、外部の業者も大きな役割を果たしています。
特に、デジタル彩色において専門のスキルを持つ業者が、モノクロ原稿に忠実に色を追加する作業を担当しました。
彼らは、単に色を塗るだけではなく、原作の雰囲気を損なわないよう細心の注意を払っています。
鳥山明氏が連載当時に描いたカラーイラストや設定資料を参考にしつつも、最新のデジタル技術を駆使して、高品質な彩色を行うことが求められていました。
また、彩色業者はキャラクターや背景の配色が、作品全体のトーンとマッチするように、各シーンごとの色調整にも関わります。
このように、業者の役割は、作品の視覚的な魅力を最大限に引き出しつつ、ファンに新たな価値を提供するために重要な位置を占めているのです。
カラー版とモノクロ版の比較
ドラゴンボールのカラー版とモノクロ版には、主に視覚的な違いがありますが、内容自体は同じです。
カラー版では、キャラクターや背景に色が加えられており、より視覚的に鮮やかで、アニメを見ているかのような感覚で楽しむことができます。
一方、モノクロ版は白黒のコントラストを活かした表現で、原作の持つ緊張感や陰影が強調され、キャラクターの感情やシリアスなシーンがより強く伝わります。
また、カラー版では、モノクロ版に比べて収録話数に微妙な違いがあります。
例えば、モノクロ版の1巻には第1話から第11話までが収録されていますが、カラー版の「孫悟空修行編」1巻には第1話から第13話までが収録されており、収録範囲が少し広がっている点にも注意が必要です。
このように、視覚的な魅力と話数の違いから、自分の好みに合った版を選ぶことが大切です。
カラー版はどの順番で読む?
ドラゴンボールのカラー版は、以下の7つの編に分かれており、それぞれの順番に沿って読むことをおすすめします。
最初に「孫悟空修行編」から始まり、最後に「魔人ブウ編」で物語が完結します。
- 孫悟空修行編(全4巻)
- レッドリボン軍編(全5巻)
- ピッコロ大魔王編(全7巻)
- サイヤ人編(全4巻)
- フリーザ編(全7巻)
- 人造人間・セル編(全8巻)
- 魔人ブウ編(全7巻)
この順番は、物語の進行に沿っているため、途中の巻から読み始めるとストーリーが分かりづらくなることがあります。
特に、各編が直接繋がっているため、最初の「孫悟空修行編」から読み始めることを推奨します。
もし、特定のエピソードに興味がある場合でも、物語の流れを理解するために、全体の順番を守って読む方が楽しめるでしょう。
まとめ:ドラゴンボール カラー版 誰が塗ってるかを理解するポイント
- ドラゴンボール カラー版は集英社がデジタル彩色を行っている
- 2013年の映画『ドラゴンボールZ 神と神』の成功が彩色プロジェクトのきっかけである
- 鳥山明はカラー版の着色に直接関わっていない
- 集英社は外部の専門スタッフと協力してデジタル彩色を進めている
- デジタル彩色技術により効率的かつ精密な着色が可能となった
- 原作のカラーページや設定資料が彩色の参考にされている
- キャラメル・ママは編集サポートとして関与している
- キャラメル・ママは彩色そのものではなく制作協力を行っている
- カラー版の彩色は現代的な色彩感覚を取り入れている
- モノクロ版とカラー版の内容は同じだが、収録話数に違いがある
- カラー版はアニメ版とは色彩設定が異なる部分がある
- カラー版の順番は「孫悟空修行編」から「魔人ブウ編」まで7編ある
- カラー版は電子書籍のみで提供されている
- デジタル技術で手描きでは表現しにくい色彩が再現されている
- 鳥山明の監修下ではなく、集英社が彩色を進めている